断熱材の選び方の基本
- 山田 真司
- 家づくりについて
- 性能について
性能向上リノベーション『再築-SAITIKU-』担当の山田です。
『最強の断熱材は◯◯◯◯◯!!』
と、いろんな住宅メーカーさんビルダーさんでお見受けします。
断熱材にもたくさんの種類があり、YouTubeで発信している方も、
工法により考え方が全く違うので一概には言えないと説明されていることが多いです。
『透湿する断熱材の方が結露しない?』や、
『防湿しないと結露する』など
主張もさまざまです。
基本的には『断熱材の熱貫流率』の数値とその会社から見て施工のしやすさで採用されているようです。
しかし、断熱材は経年劣化します。
しかも経年劣化の度合いが数値化されていることはあまり知られていません。
『財団法人 建築環境・省エネルギー機構』から出版されている
『住宅の省エネルギー基準の解説(第3版)』において、断熱材の経年劣化を加味した熱抵抗補正係数が明記されています。
・ビーズ法ポリスチレンフォーム |
0. 98 |
・押出法ポリスチレンフォーム |
0. 88 |
・硬質ウレタンフォーム |
0. 81 |
・現場発泡ウレタンフォーム |
0. 75 |
・フェノールフォーム |
0. 92 |
・ポリエチレンフォーム |
0. 99 |
上記がよくある断熱材の数値比較です。
これらは断熱材の25年後の熱抵抗比較(熱抵抗補正係数※に基づいた性能化の試算)です。
グラスウール、ロックウールはほぼ劣化しませんが、プラスチック系断熱材は劣化(封入ガスの抜け)の度合いがキモになります。
フェノールフォーム(例:ネオマフォーム)は25年後に8%熱抵抗値が低下、
現場発泡ウレタンフォーム(100倍発泡)は25年後には25%熱抵抗値が低下するということになります。
断熱材の種類によってここまで差があります。
熱抵抗値が低下するということは現在は結露計算OKであったとしても、
将来的には壁体内結露で躯体が腐食、ということもありえます。
それも25年で。
住宅ローンは35年。それまで持ち堪えることができない可能性が高いということです。
プラスチック系断熱材のほか、自然素材系断熱材も劣化現象はあります。
ここで数値化はありませんが、例えばセルロースファイバー。
最強の断熱材と呼ばれている所以としては、
『吸放湿する』『自己消化する』『防虫効果がある』『防音性がある』などですが、
基本材料は『新聞紙』なので、吸放湿を繰り返すことで『炭化』します。
畳の下に敷いた新聞紙に見られる赤く焼けてパラパラに砕ける現象です。
炭化することで繊維結合ができなくなりますので充填された断熱材の収縮が懸念されます。
断熱材は劣化しにくいものを選択することがまず第一となります。
そして、隙間なく充填でき、確実に断熱できる材料が基本となります。
断熱が気になる方は山田がお答えいたします。
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